愛知屋仏壇本舗 / 暮らしをつくるしごと from 岡崎

Exhibition 暮らしをつくるしごと from 岡崎|創業74年。伝統工芸品である三河仏壇の企画デザイン、製作、販売までを一貫して行う「愛知屋仏壇本舗」にお話を伺いました。

INTERVIEW

2024.04.16 UP

本記事は、無印良品名古屋名鉄百貨店のOpen MUJIスペースにて、2024年4月16日(火)〜5月12日(日)まで開催されている【Exhibition 暮らしをつくるしごと from 岡崎】のインタビュー記事です。
岡崎市の暮らしや文化を作ってきた“しごと” にフォーカスを当て、実際に仕事で生まれたものや、仕事を支える道具、仕事の風景などを写真、インタビューと実物展示でお見せします。
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創業74年。伝統工芸品である三河仏壇の企画デザイン、製作、販売までを一貫して行う仏壇屋。販売店では、厨子から小型箱型、デザイナー仏壇、高級大型仏壇、神具、神徒壇まで、常時数百本の仏壇を展示。自社の箔押しと組み立て工房も構え、伝統的な三河仏壇から、時代に合わせて洗練されたオリジナルの仏壇まで、幅広く製作している。

住所:愛知県岡崎市能見通1丁目81番地
営業時間:9:30~18:30
定休日:火曜日(祝日は営業)

取材させていただいた人

太田壮一郎さん(37)

現社長・太田智子さんの長男で、10年ほど前に入社し、現在は取締役。カメラ好きで、ライカのカメラを愛用。

Q1 仕事の内容を教えてください。

主に、新しい仏壇のプロデュースとディレクションをしています。具体的にはデザインを考えて、完成するまでの段取りや調整を行います。
三河仏壇は伝統工芸品として認定されていて、その特徴として漆で塗られていたり、金箔が使われていたり、精巧な彫刻が掘られていたりします。それらは全て伝統工芸士などの職人の手作りです。それらは分業制なので、各分野の専門職人にスムーズに作ってもらえるように調整しています。
一方で若者を中心に、大きな仏壇を置かない家庭も増えており、今までの伝統的な仏壇だと暮らしにフィットしない部分もあります。そこで、伝統工芸の技術を使いつつも現代の暮らしに合うような仏壇をデザインし、それを形にして販売するまでを自社で行っています。

Q2 あなたはどんな暮らしをしていますか?働く日の1日のスケジュールを教えてください。

8:00 起床
9:30 出勤、仏壇の納品、商談、職人とデザインの相談、工程調整、チラシなどクリエイティブの製作   
19:00 プライベートタイム&仏壇のデザインや、クリエイティブの製作
2:00 就寝

Q3 一番多くの時間を過ごしている場所はどこですか? 

商談は、店舗で行うことが多いですが、チラシやデザインなどのクリエイティブの製作は事務所の机でパソコンに向かうことが多いです。あとは、工房で職人と仏壇をどう作るかなどの擦り合わせをすることが多く、デザインしたものを作ってもらう上で、職人たちと念密に打ち合わせを行い、コンセプト通りの形や色、質感にしてもらうことをお願いしています。そこに立ち会う時間も大切な仕事です。

Q4 あなたの仕事を支える道具を紹介してください 。

おそらく仏壇のイメージとはかけ離れるでしょうが(笑)、ライカのカメラとMacBookが、仏壇のデザインと広報物の制作において必要不可欠な仕事道具です。
職人の道具の話をするなら、例えば三河仏壇ならではの金箔を貼るときに必要な「箔箸」は大切な仕事道具です。これは職人の手に馴染むように、昔からその職人が自分で竹を加工して使用しています。

Q5 仕事の中で、この土地(岡崎)ならではのことがあったら教えてください。

仏壇自体が地域性を持つことや、徳川家康公が岡崎に寺社仏閣を多く建てたために仏壇業界が発展したことなど、この仕事や仏壇そのものに岡崎らしさを感じます。
三河仏壇は、そもそも豊田市の猿投で漆が取れ、伊賀川でその取引がされていたことや、江戸時代に家康公が三河に対して金箔の使用許可を出したことなどが成り立ちなので、扱っている製品そのものがこの地域ならではなんです。

Q6 あなたの作るものは、お客さんの暮らしにどう取り入れて欲しいですか。

例えば、朝起きた時や出かける前、帰ってきた時に、「無事に帰って来れてありがとうございました」と仏壇に向かう時間を作ってもらえたらいいなと思います。仏壇は過去の人に対して祈るためのものだと思われがちで、現代の人にとって遠い存在になっていますが、そういった使い方に限らず、自分のために祈れば心が清らかになる。気持ちの切り替えができるので、現代の人には必要な時間であり、行為だと考えています。
自分を見つめる、自分が分かる時間を毎日の暮らしに習慣として取り入れてもらえると嬉しいです。


愛知屋仏壇本舗

ホームページ
https://aichiya.co.jp/
インスタグラム
https://www.instagram.com/aichiyaokazaki/
 

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