「街とフィルムとカメラに親しむプラン」はじめます

チェックイン時にカメラとフィルムをお渡しし、宿泊される間に撮影されたものをチェックアウト時にお預かり。現像後のネガと今は貴重な手焼きでのプリントをお手元まで郵送するプラン。

SPECIAL

2024.01.18 UP

アングルは岡崎で1番古いカメラ屋として営業していた店舗を改装しています。 改装中には誰かのネガフィルム、大きくプリントされた額装写真だけでなく、暗室もあって現像液や使われていた機器もたくさん出てきました。きっとその当時は1枚ずつ丁寧に、誰かの思い出を現像してプリントされていたのだろうと想像します。

そんなご縁もあって、ずっとあたためていた「カメラプラン」をはじめます。チェックイン時にカメラとフィルムをお渡しし、宿泊される間に撮影されたものをチェックアウト時にお預かりして、現像とプリントをおつけしてお手元まで郵送するこちらのプラン。普段は携帯やデジタルカメラを使っている方、インスタントカメラを使ってみて面白かった方、もう少しフィルムカメラを使ってみたい方にもオススメです。

私たちは「暮らし感光」をテーマにかかげ、物見遊山的な「観光」ではなく、宿をきっかけに岡崎の街の豊かな日常に入り込んでいただき、五感で地域の光を感じられるような「感光」を目指しています。感光の意味は物事に光が当たり化学変化を起こすこと。

観光ではなく、感光という言葉を使っているのは、元カメラ屋という文脈を活かし、カメラ用語の感光と掛けています。暮らし感光を通して、この街の豊かな暮らしや日常に光があたり、地域がより良い方向にすすむような化学変化が起きたらと思っています。

岡崎という街は観光地ではありません。そのため少し街の魅力がわかりにくく感じると思います。ですが、五感を使って街をよく見てみると、本当に多くの豊かな場所、店、モノ、人、そして文化がそこにはあります。私たちにとってはいつもの日常ですが、それはこの街にしかない大切なものです。

今回、同じような熱い気持ちで現像とプリントをしてくださる方が、ありがたいことに同じ愛知県の名古屋市でお店を構えているので、このプランを実現することができました。
「. LAB RAINROOTS​」現像、フィルムの販売、暗室の貸出、展示、WSなど、フィルム写真にまつわることを手掛けているお店です。
「名前のつかないような日々の写真も、人の手と光で焼き続けたい」
そのように掲げて、一般的であるデジタル機器を使わず、1枚1枚丁寧に手作業でプリントされているところにも共感しています。

この街で暮らしている私たちの「アングル(角度)」と、旅人としての皆さまの「アングル(角度)」はもちろん違います。同じ場所を写していても、カメラを持つ人が違うだけで写されているものが変わるのがとても面白いのです。私たちもカメラを持つと、いつもとは違う新鮮な視点で街を見られることを感じています。

そんな、人によって視点が変わると新たな気づきが生まれることを体験してもらう仕掛けのひとつとして、手焼きプリントでどの写真を選ぶかは「. LAB RAINROOTS​」プリンターの方に託すことにしました。自分が思いもよらなかった写真が選ばれたり、同じものを面白がってくれていたり。

この街に緩やかに流れている日常は、きっと誰かにとっては非日常でありながら、どこかの誰かが見れば温かみを持つ日常的なものなのだと思います。そんなひとときを切り取って、ぜひ楽しんでいただければ嬉しいです。

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※プランのご予約はホームページ「BOOKING」
備考欄に「街とフィルムとカメラに親しむプラン」希望とご記入ください
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○プラン概要と価格

チェックイン時にカメラとフィルムをお渡しします。滞在期間中に自由に撮影していただき、チェックアウトまでに、フロントスタッフにカメラをお返しください。お預かりしたフィルムはこちらで現像とプリントを依頼し、郵送でお客様のお手元にお届けします。

・コンパクトフィルムカメラの貸し出し+25枚撮りフィルム1本
・ネガフィルム+手焼きプリント写真5枚(任意で選択させていただきます)
※ネガフィルムをカメラ店に持ち込めば全写真のデータ化が可能です。

上記セット 5,000円(税込)

※使い方など、不明点はスタッフにお気軽にお尋ねください。

○お届け目安

チェックアウト時にお預かり → アングル発送(レターパック)
→ レインルーツ様着 → 現像作業 → お客様お届け(レターパック)

※お預かり日から約2週間後がお届け目安となります。

●現像(ネガフィルムについて)
現像とは、フィルムを専用の機械を使い特殊な薬剤で処理することで、カメラで撮影したものを人の目に見える形にすることです。これを「ネガ」または「ネガフィルム」と呼び、それをプリント(またはデータ化)することで私たちが普段見ている「写真」になります。(「ネガ」は、撮影したときの光の色が反転した状態(=ネガティブ)からついた名前)

●現像(手焼きプリントについて)
できたネガを印画紙に焼き付けることをプリントと呼びます。プリント方法は2つ、デジタル機によるレーザー露光と光で焼き付けるアナログ露光があります。
今回お届けする写真は後者。実際にネガに光を当て、レンズを光が通過して印画紙に像を投影し焼きつけるプリント方法で、全くデジタルを介さずプリントされます。このやり方でプリントしているお店は現在ではほとんど残っていないそう。手焼きのプリントはノートリミングの雰囲気も増し、最高にぐっとくるはずです。

○お貸出しするカメラ

「ILFORD SPRITE 35-II」コンパクトフィルムカメラ
(F9固定焦点広角レンズ、固定シャッター速度(1 / 120s))

使い捨てカメラに近い、全体にピントが合って押すだけでちゃんと取れるカメラです。ファインダーを覗くと普段私たちが見ている世界よりも少し広め、イメージ的には携帯で写真を撮るときのような画角になります。
F値、シャッタースピードが変えられないからこそ、反射的に気になる風景を撮りやすいカメラかなと思います。

○お渡しするフィルム(1本)

RAINROOTSオリジナルPBフィルム「 ISO400 Pathfinder」(25枚撮り)

PBフィルムは長巻きのシネカラーフィルムを切ってつめたもの。
現像行程が普通のフィルムと異なるので、いま現像できるのは . LAB RAINROOTSのみです。

シルキートーンでフワッとした写真になるのが特徴。
まち歩きをする時など、外で使う場面が多いことを想定してISO400を選びました。明るい店内ならフラッシュを焚かなくても大丈夫です。

街とフィルムとカメラに親しむプラン

この岡崎の街に緩やかに流れている日常は、きっと誰かにとっては非日常でありながら、どこかの誰かが見れば温かみを持つ日常的なものなのだと思います。そんなひとときを切り取って、ぜひ楽しんでいただければ嬉しいです。