「アングル」という言葉に込めた想い

この場所でアングルがはじまった思いと、アングルをはじめてからの思い。そこにはそれぞれの視点があり、街をたのしむきっかけが生まれようとしている。

COLUMN

2020.07.01 UP

※この記事はクラウドファインディングの際に書いた文章をANGLEのメディアに合わせて編集を加えたものです。

オープンから1ヶ月が経った今、マイクロホテルアングルができるまでの流れについて、自分がこの場所で実現したかったことと合わせて、改めて整理できればと思います。

今回はマイクロホテルに込めた思いについてご紹介いたします。

僕自身、旅が好きで多くの宿に泊まってきました。そして、自分が宿をやる際に一つ決めていたことは「ドミトリー」ではなく「個室」にすること。

交流はしたいけど、部屋ではゆっくり個室で休みたい。たとえ旅先でもひとりでゆっくり過ごす時間って、結構大切だと思います。だから、ゲストハウスではなくて小規模なホテルということで『マイクロホテル』と名付けました。

マイクロホテルを調べたら、なんと海外では増加中だそう。大本を辿ると、約40年前に日本で誕生したカプセルホテルとのことらしいです。マイクロホテルはその新モデルで、今ではハイクラスなホテルが「せまいけどリッチに泊まれる」というコンセプトとして、ニューヨークやパリ、ロンドンといった大都市で人気を集めているそう。

まったくタイプは違うけど、大都市ではなくローカルらしい個室6部屋のマイクロホテル。そんなものを深掘りしていけたらいいなと思っています。

そんなホテルの名前は『Okazaki Micro Hotel ANGLE(アングル)』です。

『アングル』と名付けた理由は2つあります。

ひとつは、リノベーションするビルが、元々岡崎市でいちばん古い「カメラ屋」だったこと。そこに連綿とつづいてきた記憶や空気を途切れさせることなく引き継いでいきたい。カメラ屋さんの店主は自身も写真家であり、同じように街を、宿を通じて写していきたい。そんな想いもあり、カメラにちなんだ名前にしたいと考えました。

改装前は、1階に暗室なんかもありました。

そして、もうひとつの理由は、そこをさまざまな視点の交わる場所にしたかったということ。ご存知のとおり「アングル」は「角度・視点」という意味。写真って撮る人の角度や視点によって見え方が変わると思います。それと同じように、岡崎という被写体の魅力を、僕のような外から来た人の客観的な視点からも、地元に暮らす方のローカルな視点の両方が掛け合わさり、まちを楽しむことができる。そんな場所にしたいと思い、「ANGLE(アングル)」と名付けました。

外からの視点と中からの視点が結実する場所になってほしい

とはいえ、けっして魅力を押しつけることなく、あくまで「こんな見方もできますよ」というひとつの提案にすぎません。

ふらっとたち寄って泊まってもらってもいいし、夜遅くまで飲んだ後の寝床にしてもらっても構いません。


名前と同時に、「アングル」のコンセプトも紹介させてください。「ぼくらの“アングル”をきっかけに、岡崎のまちを捉えるマイクロホテル」。

岡崎の魅力をホテルに関わる「僕ら」の視点で入れ込んだホテルにしたいと考えています。”僕ら” としているのは、僕自身だけでなくて写真家さんの視点で撮ってもらった岡崎の写真を飾っていくなど、その他にもここに訪れてくれた方の何かきっかけがつくれる「視点」にこだわりたいと思っています。

「アングル」という宿の名前からも、写真はこれからも主軸となるキーワードとして、様々な企画にしていく予定です。

それから、ほんとうにおすすめしたい場所や人、コトなんかについてもご案内ができればと思っています。

アテンドすることってとても大切で、それ一つで街の印象はかなり変わってくるのだと思います。実際自分が旅行に行った時にそれを一番に感じたからこそ、力を入れたいし、そこに価値を感じてもらえればと考えています。


近くには最近リニューアルしたばかりの『籠田公園(かごだこうえん)』というキレイな公園もあります。おもしろいお店が集まりつつある康生通(こうせいどおり)という通りにもすぐ近くです。

設計は、設計だけでなく本当に様々なことを一緒に考えてくれている岡崎市の同い年4人の設計チーム「studio36」にお願いしています。

1階は気軽に飲めるバーを週末限定で営業中。レンタルスペースとしても貸し出しています。2階は客室と共用シャワールーム、3階には客室とテラスを用意しました。

実はこの気持ち良いテラススペースこそ、この場所に宿をつくろうと思った決め手になりました。宿泊されるお客様に素敵な時間を過ごしていただけるように、どなたでも飲めるここだけのお茶やコーヒーご用意しています。

1日の終わりにお茶を飲みながら一息ついたり。あるいは1日のはじまりをコーヒーを飲みながらここで計画したり。いろんな活用方法を一緒に探していきましょう。

「アングル」という言葉に込めた想い

この場所でアングルがはじまった思いと、アングルをはじめてからの思い。そこにはそれぞれの視点があり、街をたのしむきっかけが生まれようとしている。