マチノオク〜籠田公園×詩

「マチノオク」と題して、現実としての街の場所や人モノコトなどを舞台に、物語や詩を紡いでいく企画。
今回は、沖縄出身岡崎在住の御園まりんによる詩。

COLUMN

2021.04.26 UP

二月のある晴れた土曜日 
澄み切った空は高く 公園はきれいだった
入り口で鳩の銅像が迎えてくれる

今日もたくさんの人が集まっている

かくれんぼをしている親子
屋根にのぼり 本気で隠れようとしているお父さん
てつぼうの練習をする女の子 
小さなタイヤのブランコに 順番待ちをする子ども
ドッジボールをする小学生 
野球やサッカー バレーの練習をする中高生

腹ばいをする仔犬

黄色やオレンジのキッチンカーと
お祭りを運ぶ ビールボーイ
おべんとうを広げる子連れのママたち

オカッパ頭の兄弟
芝生や遊具の広がる丘で 仰向けに寝転ぶ男の子 
転んでも自分で起き上がる 小さな女の子
公園は人を育ててくれる

風で倒れた自転車を 自分の持ち物のように丁寧になおす
男の子と女の子

「自転車からはおりて歩きましょう」の文字を
子どもといっしょに読みあげるお母さん

ゆっくりゆっくり歩いてゆく おじいちゃん

いつも 同じ顔ぶれが揃うのでなく
いろんな人が集っている

イベントの開催に関わらず
週末はいつでも賑わっている
それぞれの居場所がある

みんなにとって開かれた公園は
いじめられっ子にも やさしい

今日はここで待ち合わせするんだ

そんな声も 聞こえてきた

文/御園まりん
写真/鈴木雄介

■プロフィール
作家:御園まりん
沖縄出身、岡崎市在住。もうすぐ40の1児のママ。HSP、ADHD。
40代から作家になろうと中学2年に決め、20代はさなざまな職を転々とする。30代は、岡崎でライティングの仕事などを行いつつ、トラウマと向き合い、何のために生きるのかをひたすら問う。

マチノオク 〜籠田公園×詩

「マチノオク」と題して、現実としての街の場所や人モノコトなどを舞台に、物語や詩を紡いでいく企画。
今回は、沖縄出身岡崎在住の御園まりんによる詩。