記憶と記録を残すこと。

アングルオーナーである飯田の日記的なコラム。日々の宿運営や地域で暮らし働くことでの、気づきや思いなどを綴ります。今回は「写真」について。

COLUMN

2023.05.06 UP

写真には、写真をきっかけに自分の中の記憶を呼び起こしてくれる装置の効果があるなと思います。
あとは撮った人が何に注目したのか、どんなことに心が動いたのか、そんなことも想像させてくれる。
写真のそんなところがいいなと思います。

フォトグラファーの小財美香子さん @3ee_ がANGLEのオープンにあたって撮ってくれた、今は閉店してしまった「岡ビル百貨店」の写真。
オリジナルグッズのポストカードとして今もアングルに残っている。
老朽化もあり、今後駅の再開発に伴ってもう看板も無くなってしまい、本当に撮ってくれて良かった。

僕自身、岡ビルに対して、まだまだ思い出は多くの方に比べたら少ないけど、レストランこもなどに行った良い経験はやっぱりあるし、年季と共に誰かの楽しい思い出も、辛い思い出も、たくさん詰まっているんだろう。
おそらく東野圭吾さんも。
(東野圭吾さんの小説「白鳥とコウモリ」で東岡崎駅が出てくる。)

古すぎて維持することの大変さは理解しつつも、そこに詰まった思いや歴史を想像するとなんとも言えない気持ちになってきます。

アングルは元岡崎で一番古いカメラ屋さんであり、オーナーさん自身も写真家さん。この街を見つめ続け、この街の記憶の記録を残し続けてきたんだろうな。

アングルも少し形は違えど、その思いはしっかりと引き継いでいきたい。
文化は壊すことは簡単だけど、また作ることはとても難しい。
文脈を引き継ぐことは地域の文化を守ることなのだと思います。

文/飯田 圭
写真/小財美香子(ポストカードのみ飯田圭)

記憶と記録を残すこと。

アングルオーナーである飯田の日記的なコラム。日々の宿運営や地域で暮らし働くことでの、気づきや思いなどを綴ります。今回は「写真」について。